茅野の大学から宇宙の始まりに挑む「地元の企業と連携」大切に
初期宇宙を解明するための実験を行っている桜井研究室に赤田工業(株)の自社製品真空チャンバーを納入いたしました。公立諏訪東京理科大学 桜井研究室 桜井雄基准教授にご協力いただきインタビューを行いました。

Q 納入させていただいた真空チャンバーで、どのような実験をされるのでしょうか?
A 宇宙を観測するための望遠鏡、その中に使う部品の特性を評価するための実験を行います。
私の研究室では初期宇宙を解明するために、現在でも宇宙から降り注いでいるビッグバンで発生した光を宇宙望遠鏡で捉えることを目標にして実験を行っています。
宇宙から降り注ぐ光はとても弱くて、これを観測するために最終的に光を捉える検出器を使います。
ですが、超伝導を用いた高精度の検出器を使用するため、ものすごく低温......絶対零度付近の状態にしないといけません。
だから、望遠鏡全体を低温に下げる必要があります。つまり、望遠鏡の中に使う部品の"試験機"として、赤田工業さんに真空チャンバーの製作をお願いしています。
具体的な内容としては、真空チャンバーを4ケルビン(絶対零度から4度高い温度)に冷却し、内部に望遠鏡部品やセンサーを設置することで低温での物性変化を観測したり、また、真空チャンバーの外から電波を透過して、内部の低温状態の光学部品の特性を測定する実験をしようとしています。
4K(ケルビン)=-269°
Q 実験は学生さんが主体となって行うのでしょうか?
A 基本的に学生主体でやってもらうようにしています。
一緒にやる時はやるけれど、自分主体でやるように。自分で考えることが大事。
安全面はもちろん確保しますが、私が間に入ってしまうと自主性が育たないと思うので、「計画を立ててやってね」と常に伝えるようにしています。社会に出た後は自分で考える力が必要だと考えているので、こういった場で自主性を育てていきたいと思っています。

学生さんが実験を行う様子
Q チャンバー製作にあたり、赤田工業をお選びいただいた決め手は何でしょうか?
A 地元で真空チャンバーを作っている所を探していた時まず最初に出てきたのが赤田工業さんでした。
大学として地域の企業との連携を重視しています。また、対面での密な打ち合わせは装置開発にとって重要なことだと考えています。
長野県で広くチャンバーを製作しているという条件で探したところ、一番最初に出てきたのが赤田工業さんでした。
Q 先生が専門とする分野について教えてください
A 物理の分野の、宇宙素粒子物理学です
広く言うと物理学で、もう少し詳細にいうと、宇宙の進化や素粒子の性質を解き明かす分野です。
物質の最小単位となるものが素粒子。その性質に迫るにはものすごい高エネルギーな状態が必要で、最も高エネルギーなのは宇宙の始まりの状態です。
このように、宇宙と素粒子は密接な関係にあり、それらを繋げて体系的に明らかにする分野ということで、「宇宙素粒子物理学」と謳っています。
インタビュー協力
桜井雄基 准教授
桜井研究室HP:https://sakurai-lab.labby.jp/
記事作成:社員H




